九州・福岡の玄関口である博多駅が、1963 年に駅舎を移転して以来ほぼ半世紀ぶりに一新し、九州新幹線の全線開業とともに姿を現した。スッと横に伸びたスカイライン、白を基調とした透明感のある明るい印象、同時期に整備された駅前広場や街路との一体性などシンプルながらも九州の中央駅としての堂々とした景観だ。選考過程ではやや画一的な印象にも触れられたが、個々の建築の問題と言うよりは今日の巨大建築に課せられた共通の課題なのかもしれない。しかし、一抹の心配をよそに、新しく生み出された「JR博多シティ」は年間1億5千万人以上の人が行き交い、国際都市FUKUOKAを牽引するエンジンとして力強く回転し、巨大な都市のエネルギーを飲込みながら、新しい福岡を内外に強く印象づけている。