玄界灘に面する奈多の海岸線は、かつて白砂青松の自然環境に恵まれた地であった。奈多植林会は、松くい虫で消滅の危機にある松林を救おうと、周辺住民が参加して平成11年から苗木の植樹をはじめ、雑木の除伐、下草刈等の松林保全活動に取り組んでいる。寒風の2月、毎年二、三千本植えられている松苗は、美しい景観を次の世代へプレゼントするであろう。また、遊歩道の整備や小鳥の巣がけなどの活動は、自然とのふれあいの場を提供するだけでなく環境意識の啓蒙にも役立っている。昨年10月にはこの松原で、釜山市民が参加した日韓交流の植樹が実施されたという。美しい松林を取り戻そうと始まった住民活動の今後を期待したい。