これはアーティスト日比野克彦が種を蒔いたプロジェクトであり、全国でも10余の都市で展開されている。それ故、オリジナリティという点で、疑問符を投げかける向きもあろう。しかしながら、朝顔そのものは素材であり、その生育環境や運営に関わる組織やひとびとの独自性には、地域性が包括的に映し出されることに注目したい。その点では食の文化に通じるものもあると考えられる。
とりわけ福岡の場合には、都心環境のプロジェクトとして展開し根づいてきていることに特徴がある。それは、都市緑化や夏の風物詩という観点を超えて、都心景観の形成も、ひとびとが育む行為としてあることを示唆しているのであろう。