福岡の書店員、編集者、ライターなど本の魅力を良く知る人々が企画・運営しているまちづくりイベント「ブックオカ」は2006年から始まり7回目を迎える。「福岡が本の街に」をキーワードにトークショウやイベントが次々に開催され、中でも『一箱古本市』は、けやき通りの両側に、約100人の出店者が個性的な本と本棚を用意し、街を歩く人と本を通じて会話が弾む。この活動の魅力の一つは「本」に注目し活動を続けていること。そして多様な可能性を秘める「本」を介して人が集まることで、必然的に感度の高い場が生まれてくることに期待できる。市民が営む暮らしに寄り添って考える景観とは、建築物として存在しない「活動」においても、例えば、人生を変えるほどの出会いや夢を与えるような場であれば、都市景観の新たな魅力として捉えることができるのではないかと考える。