シーサイドももちの中ほどにコンパクトながらも目をひく洗練された建物がある。西部ガスミュージアムは、シーサイドももち造成後の第1期に建築され、アジア太平洋博覧会の展示館としても活用された。構造体の一部を外に出しガラスで覆われた特徴的な外観は、軽妙で現代的なセンスを感じさせ、造形の密度の濃さも感じさせる。福岡タワーやマリゾン等と共に、建築当初からシーサイドももちがめざす快適な都市空間づくりを代弁し、当地区におけるデザイン面での指針となった功績は大きい。今後、周辺に高層ビル群の建築が予定されているが、それらとの関係も含めて、さらに心地よい空間に育っていくことを願う。