福岡市の中心地天神やあちこちの駅周辺で不法駐輪が目に余るこのごろであるが、この広場はコンセプトのひとつである不法駐輪の防止という観点において成功を収めている。くどくどぶつぶつ言うこと無く、駐輪しがたい雰囲気のオープンスペースづくりは不法駐輪をなくすものであることを実証した。また、まちのなかの彫刻はややもすると台座に据えられありがたく(ありがたくないときも)うやうやしくおかれ、見上げて崇めざるをえないものであったが、この彫刻群は老若男女が思わずさわったり心和やかになるものである。パブリックアートとして松永真氏の作品を採用した点成功をおさめていると思われる。ややもするとふきだまりになりそうな小さなスペースをまちの新たなエネルギーとなる歩道空間とした点は、狭い都市空間を利用した21世紀の広場のあり方を示唆したもののように思える。