シーサイドももちは、美しい景観で福岡の人気スポットのひとつ。景観エッセーの応募数も最多で、市民の評価が高い。その一方で、バブル崩壊後の建設が遅れ、にぎわいの形成が今一歩。屋外広告物の規制が厳しすぎるからだ、という批判も聞く。しかしそれには、あいまいな風聞や誤解も多い。低層部は人に優しくにぎやかに、遠くから見ると高層部は先進性と空間の格調を重視する、というのが景観づくりのコンセプト。主旨を理解し、内容をよく読み込めば、かなりのことができる。受賞作はその好例。多数の入居店舗を印象深く見せるのはただでさえ至難の技。それを4つのグループに分けてわかりやすく楽しく強調した。小品ではあるが工夫が光り、審査委員の共感を得た。