室見川の西、外環状道路の近くに、可憐な姿で、ひっそり建っているところ好ましい。十字架をつければ、ヨーロッパの田舎の教会かと思わせるファッサードには、凝ったデザインは何一つないが、アーチ型の入口、単純な切妻屋根、そして茶色の壁面のバランスが誠に良い。向かって右のレストラン部は、形は共通だが、色は白と鼠のツートンカラーで、一件アンバランスのように見えながら、違和感を感じさせない。妻面の協調で統一感を持たせ、壁面仕上げの変化で単調さを破り、デザインを突出させなかったところが成功したのであろう。都市化が進み、周囲に高い建物が多くなれば、埋もれてしまいそうであるが、今は、室見川の上流、脊振の山々を借景にしてムードある店になっている。