思わず立ち止まりたくなる、吸い込まれるような雰囲気がある。そして通りに見事に融けこんでいる。四つ円筒とピラミッドの屋根-それだけを取り出してみると危険な取り合わせだが不思議に落ちついて見える。周囲の環境になじんで、しかも強烈な自己主張をもっている。調和と対比のバランスを巧 みに生かした設計で、周辺地域の景観をリードし、あたりに季節のメッセー ジを送っている。蘭(オーキッド)をターゲットにしたフラワーショップ、 選びぬかれた花の心憎いばかりのディスプレイ、石の壁に象嵌されたサイン の爽やかさ・・・などすべてに経営者のこの店にかける姿勢がうかがえる。 “呼吸をしている街並の宝石”とネーミングしたい。