南公園の東に位置し、浄水通教会の北側に隣接する、緑の木々に囲まれた白亜の館である。カトリックの施設だが、礼拝堂のような強い視覚的象徴性はない。しかし、それに負けない存在感がある。歴史・伝統と原生自然のいずれの極の範疇にも収まらず、しかも世俗の過激な功利とも異質な佇まいを示すこと―これがこの空間の景観的な存在感の理由ではないか。九州らしいクスノキの保存樹の奥にある白い建物が、宗教的精神性とも関連する日々の清掃の営みとともに、日本の風土にローカライズされたインマヌエル(神共に在す)の教えを、図らずも表しているようだ。こうしてこの空間は、生活景のあるべき姿の一つを、人々に暗示しているように思われる。