ファッションメーカー、ブティック等が自らのブランドのコンセプトをより明確にするため、ショップ本体のデザインにこだわるようになって久しい。すでに東京などではそのようなショップが若者の間で観光名所となっていることも多く、これからの都市の景観を形成していく上で、重要な役割を担っている。ヒサシホラヤセントラルオフィスビルは、浄水通りに近接する立地性格を十分に考慮した後に、自らの取り扱いブランドのイメージ・ポリシーを具現化させた好例といえる。丸みを帯びていながらも、シャープでシック。大人しい街並みの中、落ち着いた色調、低層のフォルムは静かに自己主張し、絵になる空間を形づくっている。