福岡大学病院は2011年1月、新診療棟を開院した。病院新館、福大プラザ、福大メディカルホールから成る当施設は、「繋ぐ」をコンセプトとして開発されたという。
シンボルともいうべき北側正面のアトリウムは、長さ約100メートル、全面ガラスの3層吹き抜け空間。やわらかい自然光と眺望を院内に取り入れ、夜は街にあたたかな光を照らす。また、地下鉄の改札から新診療棟まで見事に直結した動線計画も、特筆すべき試みであり、随所に患者に優しい配慮が見られる。地域社会と高度医療を「繋ぎ」、周辺環境と療養環境を「繋ぐ」。「あたたかい医療」を基本理念とする福岡大学病院の、次世代への挑戦が感じられる施設開発である。