福岡の都心部で西鉄福岡天神駅に隣接した重要な公園の再生プロジェクトである。見通しがきかない場所を有し、面的に配された若干のレベル差がユニバーサルな利用を阻んでいたこと等の旧来の公園が持っていた機能上の課題をみごとに克服した。地下に駐車場と駐輪場を有するという条件を維持したまま、多くの人が利用する公園として交通動線を処理し、人の通過動線を妨げない巧みなランドスケープデザインによって、人の集う広場の復権を果たしている。また、周辺の建物と広場のスケールによって規定される「囲まれ感」を維持しつつ、隣接する商業建築が改修によって広場側にガラス面を拡げ、顔を向けたことなど、周辺に良い影響を与えており、委員会の高評価に繋がった。