博多湾を望むシーサイドももち地区では新しい都市づくりに向けての活発な建設活動が展開している。その一環として<国際都市・福岡>が実感できる二つの建物が相前後して建設された。
平成元年3月完成の中国総領事館と、平成2年3月完成の韓国總領事館である。これらは平成元年に開催されたアジア太平洋博覧会を記念して名づけられた「よかトピア通り」に面して、お互い近くに並んで建っている。「活力あるアジアの交流拠点都市」をめざす福岡市は、<国際都市・福岡>の建設、とりわけアジアとの多面的、かつ積極的な交流の推進に取り組んできている。そのような動きを支える確かな拠点として、これらの建物の存在は重要であるが、それらが当地区での個性ある街並み景観の形成にも、大きく寄与している点が注目された。
双方とも、それぞれ独自の伝統的建築様式を基礎にしながらも、創造的な新しい建築デザインでまとめられている。特に固有の建築文化に裏付けられた瓦屋根の造形は、単なる異国情緒を乗り越えた迫力がある。国際交流のシンボルとして、また「よかトピア通り」の表情を豊かにする上で、これらの建物は大きく貢献しているといえる。