賞の対象となっている中村学園大学正門周りは、学生や訪問者にとっては学園への導入部として、また学外には大学のイメージを高めるための空間として重要である。特に市の中心部とつながる国道202号線沿いに正門を挟んで東西両側に伸びる対象地は、それだけ外景観的にも修景効果の高い空間が望まれるわけであるが、道路と学園敷地の境界には自然石の石積みが歩道より約60cm高に積まれており色調、仕上げも穏やかである。防犯のための鉄製柵は、この石積みより学舎側にセットバックさせてあり、さらにこの柵が目立たないように、学舎側にはカナメモチが列植されている。このカナメモチは道路からの視線を遮断することなく、高木ホルトノキの樹幹越しに学舎や築山を透かし見る効果を出しており、これらの効果を維持するため、年2回ほどの管理作業も適正に行われており都市景観への貢献は高いと思われる。