この建物が千代町の一画に出現したとき、その警察らしからぬスタイルで多くの博多人を喫驚させた。マスコミも取り上げ、話題の種をまいたのも記憶に新しい。当時の常識を越えたデザインがイメージ過剰の際物に終わってはと多少きぐを感じたこともあったが、人の噂も消える頃いつしか千代交差点に根をおろして、この地区のランドマークにおさまっていた。打ち放しコンクリートの円筒形外殻の荒い肌とガラスブロックの内殻のなめらかな肌がうまくマッチし、前面の彫刻と共に楽しい雰囲気を形成している。大小の円筒の組み合わせ、打放しコンクリートとタイル張りの対比バランスよく、民主警察を標ぼうした派出所の傑作の1つであろう。県庁入口の千代地区の都市景観には欠かせぬ存在である。