コロッセウムを思わせるドームの外壁面は、柱列や窓の処理にややクラシックな匂いを感じないでもないが、開閉式のために重量感を増した屋根を支えるには、充分重厚である。開閉式になったため、屋根面に大きな段差がつき、これが単調になりがちなシェルの面に強いアクセントを与えていて、大変面白い。円筒の壁面をそのまま表現し、変に小細工をしないところに好感が持てる。
巨大なスケールのものが、デザインをわがもの顔に振り回せば、孤立して鼻持ちならぬものになりかねない。自己主張もなく、地域に溶け込もうという姿勢が、このドームを、少々デザイン氾濫気味なシーサイドももちの核たらしめるのだろう。