明治期のフレンチルネッサンスを基調として、玄関ポーチと八角形の尖塔をもった威厳と気品を漂わせる木造建築であり、天神中央公園の緑のなかにおさまっている。もとは、九州沖縄八県連合共進会というイベント時の来賓接待の場として建てられ、その後、皇族の宿所としても使われるなど、文字通り「福岡の顔」のひとつとしての役割を担っていた。戦後も福岡県教育庁舎として人々に親しまれ、県庁舎移転に際しても当時の雰囲気を残す建築として保存、福岡西方沖地震にも耐えている。対象敷地周辺は、天神から中洲を通って博多へと抜ける歩行者道「福博プロムナード」の一部になっており、日常でも多くの人々が、オープンスペースの緑とともに、公会堂貴賓館の勇姿を目にすることができる。