博多湾をめぐるウォーターフロント開発も、いよいよ本格的になりつつある。それに伴い、人々が海を眺め、また直接海岸線沿いに出向く機会も多くなってきた。そのような動きの中で、この「荒津大橋」は、多くの市民に強い印象を与える存在になっている。単体として橋そのものの美しさはもちろん、市街地側から、あるいは海上から眺める都市の景観に、新鮮な魅力を加えた点が審査の過程で高く評価された。従来、橋梁や高速道路など、いわゆる土木的スケールの建築物では、安全性や機能面での対応にくらべ、美しさへの配慮が不足気味であると指摘されることが多かったが、この橋の出現で、市民の間にも大規模構築物のデザインに対する関心が、大いに高まってくるものと期待される。