博多千年門は歴史的文化財の多く残る寺社町エリアのウエルカムゲートとして、地元の繁栄を願う住民等「博多千年門期成会」の寄付によって建設された。様式は江戸時代、近くに存在した「辻堂口門」を見立て四脚門とし、門扉には太宰府天満宮より寄贈された樹齢千年の「千年樟」が使用されている。また千年門と共に整備された承天寺通りは、以前の区画整理によって南北に分断された承天寺の敷地を一体的な空間へと蘇らせ、二車線道路を一車線化して歩道を拡幅するなど、承天寺を含む周辺エリアの散策や回遊性向上に貢献している。通りの植栽には本殿にあったマツを移植し、境内との一体的なランドスケープを造り出した。風情ある博多への敬愛と共に、風景の一体化を丁寧に仕上げた多くの人々の努力の結晶として、敬意を表したい。