大学、高校、小学校など教育機関が並ぶ西新6丁目に位置する大学図書館である。旧本館をはじめとして西南学院の多くの建物に用いられ、街並みを構成する素材となっているレンガを、透かし積みによるスクリーンとして用いた外観が特徴。大学図書館に要請される床面積を確保しながら、スクリーンを用いて建物のボリュームを巧みに分節するとともに、低層部と中高層部でレンガを使い分け、街路に対して昼夜それぞれに豊かな表情を生み出している。シンプルな平面型にまとめた建物を、サザエさん通りから大きくセットバックして配置することによって、地域に開かれた辻広場ともいうべき公共空間を創出した点も高く評価された。高層部の壁面をさらに後退させることで見た目のボリュームも低減されており、都市景観に配慮した丁寧な設計が行われている。