めまぐるしく変化を続ける福岡市の中で、都市再開発の先駆地である博多駅南の街並みは長い間新しいデザインの息吹を感じとることができなかった。スフィンクス・センターの出現は大きな刺激を与えることになった。この建物はオフィスとホテルの複合体で、その様相や内部の構成は非常に個性的で力強くまとめ上げられている。ポストモダニズムの旗手であるマイケル・グレイブスの設計による独特のデザインは、前面の公園の環境まで彫刻を置いて包み込み際立った環境を作り上げている。
業務地区としてありふれた街並みに調子を合わせるのではなく、都市景観の新しい風を吹き込む意気込みが感じられる。あらためてデザインの威力を感じさせる作品として評価された。