ネクサスワールドは、磯崎新氏のコ-ディネートにより日米欧の6人の建築家が競作のかたちでつくっている先端的な集合住宅群で、我国はもとより世界の注目を集めている。中でもオスカー・トゥスケ棟は、バルセロナ風の陽気な雰囲気を発散し、それでいて洒脱なディテールの仕上げが感度の良さを物語っている。境界から後退させた壁面までの敷地は歩道と同じ素材で舗装され、正面広場へと続く。新しい生活空間の提案でありながら昔から親しまれてでもきたかのような落ち着いた感触がある。ネクサスワールドの他の建物もそれぞれに魅力にあふれているが、オスカー・トゥスケ棟は周囲の総合的な景観形成においても秀逸であると評価された。