商業・業務機能の高度集積都心空間である天神地区の、いわゆる、アンカー部分(船がまるで停泊するような場所)に、このエルガーラは出現した。既存の建築物と見事に共存し、アーケードを持つ半屋外空間の道路型広場を創出して、都市のくつろぎ空間を与えている。また、商業・業務、文化機能を内包した複合建築で、それぞれに独自の外観を主張しながら一つのバランスのとれた建築体として再構成されている。特に、分節化された三つの角の建築的な表皮の特徴あるデザインは印象的で、都心空間に結節点としての機能を与えている。ここに、個々の建築群が単に林立した天神地区において、本格的な都市型建築の出現を見ることができる。